2017.10.01
補聴器と集音器の違いについて
補聴器とは?
『補聴器』は薬事法で定められた管理医療機器クラスⅡに指定されており、聞き違いなど「聴こえ」に不自由な方が使うことを前提に開発、製造されています。
集音器とは?
『集音器』は単に音を増幅することを目的に作成されています。
私たちの会話は色々な周波数の音で成り立っており、集音器の中には会話音の聞き取りに適さない音を大きくしてしまうことが、独立行政法人国民生活センターより報告されています
欠点としては以下のことが挙げられています。
①安全性:大きな音が出すぎてしまう(結果、耳を傷めててしまう)
②補聴効果:会話音の聞き取りに適さない周波数特性を持つ(会話に必要な音を大きくできない)
③モニター試験:モニターが使用しているフィッティングを受けて購入した補聴器に比べて十分な補聴効果が得られない(言葉の判別が悪いまま)
④電池寿命:電池がすぐに終わり高額な電池代が必要となる(維持費が高額)
⑤表示:集音器等の中に、誤認を与える可能性があるような表示がなされた銘柄があった
まとめると、補聴器は、効果や安全性などについて一定の基準をクリアする必要がありますが、集音器にはその効果や安全性に基準がなく、補聴効果の疑問性や、耳を傷めてしまう可能性が指摘されています。
コトブキ補聴器にご来店されるお客様の中にも、集音器をお持ちの方もいらっしゃいますが、情報不足から集音器を選んでしまったというお声や、補聴器に変えて良かったと喜ばれるお客様がほとんどです。
私たちが生活している中で、聴力を客観的に測る機会は少ない上に、聴力(標準純音聴力)や言葉の判断能力(語音弁別能)は年齢とともに徐々に衰えてきます。
実際、補聴器工業会の調査からは、65-74歳の18%が難聴、75歳以上では43.7%もの方が難聴であると報告されています。
聞き違いなど、聴こえに疑問があれば、まずはお近くの耳鼻咽喉科への受診、または認定補聴器技能者の在籍している店舗に行かれることをお勧めします。
参考
独立行政法人国民生活センター
「通信販売の補聴器等の安全性や補聴効果」
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20070906_1g.pdf
みみから
「補聴器と集音器の違い」
http://www.widexjp.co.jp/ha_choice/about/difference.html
立木 孝 先生著
「日本人聴力の加齢変化の研究」
Audiology Japan 45, 2002
https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology1968/45/3/45_3_241/_article/-char/ja/
一般社団法人 日本補聴器工業会
JapanTrack 2012
http://www.hochouki.com/files/20120123_japantrak.pdf
杉浦 彩子先生著
驚異の小器官 耳の科学 (ブルーバックス)
http://www.amazon.co.jp/dp/4062578840