音は空気の振動となって(図①)の耳介から入り、(図②)外耳道を通って(図③)鼓膜に伝わります。外耳道は共鳴という作用があり、会話音を増幅する作用があります。鼓膜は微妙な音の振動を感じ取り、
(図④)耳小骨へと伝えます。耳小骨はツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨という小さな骨の組み合わせで構成され、この鼓膜と耳小骨の働きにより、音を約30倍程度まで増幅し、(図⑤)蝸牛へと伝えます。蝸牛の有毛細胞に物理的な力(機械刺激)が加わると、細胞が興奮して電気信号に変換され(図⑥)神経系を通って大脳へと送られます。
入ってきた音が脳に達するまでの間に、その流れをさえぎるような病気が起きたとき「きこえない」という現象が起き、これを難聴と呼びます。難聴は【伝音性難聴】と【感音性難聴】とに大別されますが、両者の間には際だった違いがあります。
【伝音性難聴】は、外耳または中耳(上図:伝音系)における障害により起こります。
【感音性難聴】は、内耳(蝸牛と有毛細胞)(上図:感音系)が正常に機能しないことで起こります。
難聴者の聞こえ方ついてはこちのサイト(Hearing Loss Simulator:難聴シミュレーター)が参考になります。英語のサイトですが、少し下に移動いただき、横三角の再生ボタン(▶)を押してみてください。話をされているのは分かるけれど、相手が何を言っているかわからない(相手の話すことが、言葉として理解できない)、音楽やカラオケがつまらない、という難聴者の訴えの参考になります。
Normal:健聴者、Mild:軽度難聴者、Moderate:中度難聴者